【ハンドメイド商品づくり】オフィス内で携帯できる"可愛くて薄くて小さい"セカンドウォレット 

2019年3月15日金曜日

レザークラフト

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小さい財布が流行っている理由は?

レディース スモールウォレット3選

世の中スモールサイズのお財布が流行りなのだそうです。
レディースだと、三つ折りで小銭入れが外付けになったタイプが主流。カードは少なめで、3~6枚。
BALENCIAGAのペーパーミニウォレット。ミニ財布ブームの火付け役なのだとか。

ルイヴィトンのポルトフォイユ ヴィクトリーヌ。小銭入れはファスナー式

フェンディのマイクロ三つ折り。小銭入れはやはり外側に。 
いずれもブランド品ということもありますが、ブランド独自の佇まいは保ちつつ、容量を絞ってコンパクトにまとめた印象。大胆に切り捨てたり、振り切ってる部分はありません。しかしながら、すでに一つのカテゴリーとして確立されている感はあります。

メンズ スモールウォレット3選

一方、メンズでは、アブラサスに代表される新進気鋭の超薄型財布が登場し、市場を席捲。

理系男子に人気が高い?アブラサスのその名も「薄い財布」。
アブラサス「薄い財布」ダンボーver.。奥さんがご主人にプレゼントするケースも多いとか。

吉田カバンのPORTER ミニ財布 ビルコードバン。革の宝石を使ってるだけに小さくても高い。

ラルコバレーノ スマートミニウォレット。コインケースは片側マチのジップ仕様。
レディースに比べると、これまで主流であった長財布や二つ折りやジップラウンドのような、一つのカテゴリーを確立するまでには至っていない印象です。プロダクトとして、まだ黎明期なのか、もしくはレディースのように集約することはなく多様化していくということなのか?いずれにしても、なにゆえ、ここまで小ささや薄さにこだわるプロダクトがもてはやされるようになったんでしょうか?

小さい財布が流行る理由(仮説)

仮説というほど偉そうな内容ではありませんが、ざっくりこんなことかと。
  1. キャッシュレス時代の到来で、現金を使う機会が減りつつあること。
  2. ミニマル化の流行で、全部入りの分厚い財布を持ち歩くことがスマートでない価値観が生まれたこと。また、持ち物自体を減らしているため、財布の占めるスペースも減らす必要があること。
  3. その一方で、スペース的に競合する持ち物が増えたこと。具体的には、大画面化・複数所持化するスマホ等。
これらの理由から、ポイントとしては、これまで使用していた財布からのリプレイス需要はもちろん、それだけではなく、使い分けるためのセカンドウォレットとしての需要が発生しつつある、ということかと思われます。使い分けの区分は人それぞれあろうかと思います。主婦であれば家計用/自分用とか、会社経費を使うビジネスマンであればビジネス用/プライベート用とか。
筆者は長らく二つ折りの財布を使ってきましたが、上記の仮説を以前より顕著に感じるようになったロケーションがあります。それがゆえに、母艦である二つ折り財布に加えて、子機となるセカンドウォレット登板の必要性を感じるようになっておりました。
そのロケーションとは、実は「オフィス内」なのであります。

外出先でありながら、家ナカでもある「オフィス内」

純粋に外出しているときは、二つ折り財布はバッグ内なのでそれほど気にならないのですが、オフィスに戻ってくると、常に持ち歩くべきはスマホが第一優先であり、分厚い二つ折り財布など持ち歩いている場合ではありません。

もちろん、会社の規模や環境によって一概にはいえないので、これはあくまで筆者の場合なのですが、以下のような条件下では、オフィス内では、分厚い母艦ではなくスマートなセカンドウォレットを持ち歩きたい希望が強いのであります。
  • オフィス内はそれなりにセキュリティ対策が施されているので、母艦は持ち歩かず、デスクまわり(バッグ内)に置きっぱなし。
  • とはいえ、来客時などは、オフィス内の喫茶コーナーを使用するので、その際は小銭が必要。
  • オフィスビル内のコンビニでは、電子マネー付きカード(Edy)で決済するが、自動チャージのタイミングが悪いとたまに残高不足となるため、一応母艦ごと持っていく。
  • オフィスビル周辺の昼食時は、スマホ2台・社員証(外で首に掛けたくない)・母艦を携帯。ポケット(キーケースと名刺入れが常に鎮座してるので空きスペースは狭小)に入れるとパンパンでみっともない。クールビスの時はもっと大変。よって両手で後生大事に持ち歩くことに。
つまり、使い分けといっても会計的に区分したいわけではなく、小銭+電子マネー+緊急用お札を持ち歩ける、小銭入れ的な子機(母艦から切り出して使用される)のイメージなんです。これって、男性に限らず、女性も同様のニーズがあるように思われます。

じゃ、まさにアブラサスをセカンドウォレットとして持っとけばいいんじゃないの?と聞こえてきそうですが、どうにも食指が動かない。吉田カバンやラルコバレーノも同じ。
システム手帳バインダーのデザインモチーフを探していた時とおんなじです。おそらく、メンズのプロダクトは、ビジネスシーンでの使用ニーズが強いので、やはり機能優先設計であり、そこから発想するとアソビの部分は二の次となり、レディースのプロダクトに比べてチャーミングさに欠けるのではと(個人の感想ですw)。
且つ、薄く小さくがテーマということは、製品そのものの存在感を消すことを求められてもいるわけで、レディースと比べてブランド財布に対するニーズが高くないメンズのプロダクトは、これを究極までやり過ぎてしまった結果、余計にその傾向が強くなっているものと思われます(これも個人の感想ですw)。
これって、自分で革細工をやっているからこその視点なのかもしれませんが、折角なら持っていてキモチのよい楽しいプロダクトが良いなーと思うわけです。
ということで、自身がオフィス内で携帯したい財布について考え、実際に作って試してみることにしました。

オールインワンか小銭入れか?

マトリョーシカ型がま口

今回は、単純に「小さい財布」のベストバイはどれ?ということではなく、あくまでオフィス内で携帯するとしたら、どんな財布が便利で楽しく使えるのか?ということを考えていきたいと思います。

厳密にいうと、実は現在も「子機」としての小銭入れは使ってるんです。すでに述べた、
  • 来客時などは、オフィス内の喫茶コーナーを使用するので、その際は小銭が必要。
のときの小銭を持ち歩くためものなのですが、革細工を始めた当初に作ったものをいまだに惰性で、というか結構気に入っていて、もう5年ほど使ってたりしますw。


なぜ長く使えているのか、が重要だと思うのですが、ひとつは、がま口として使用に耐えるサイズではミニマムと思われる幅5cmの口金を使っており、且つマチを設けていないため、薄くコンパクトでシャツのポケットに入れても目立たず、他の持ち物と競合しないことがあります。
また、本来、がま口は大きく開口させることで、底部まで指が入り小銭が取り出しやすいように天地を浅めに作るところ、そもそも指が入らない口金サイズであることを逆手にとり、デザイン重視で縦長のマトリョーシカ風シルエットにしてみました。結果として、既製品にないオリジナルデザインに愛着が湧き、これも長く使えている要因かと思います。
女性に見せると、ほぼ全員が「かわいー」という感想。「小さくて可愛いデザイン」というのはプロダクトとしては肝だと思われます。

オールインワン・タイプか、小銭入れタイプか?

前の記事で紹介している財布はどれも、紙幣・カード・コインが収納できる、いわゆるオールインワン・タイプです。
セカンドウォレットはもちろん、母艦としても使える全部入りの機能を持っているわけですが、オフィス内で使うにはトゥーマッチ。
しかも、カード収納をベースとして小型化しようとすると、どれもデザインが似通ってきます。別に似通っていてもいいんですが、デザインが可愛くないのはよろしくない。
また、小銭入れ部分がカード収納部と重なるとどうしても厚みが出てしまいます。アブラサス「薄い財布」はこれを避ける工夫をしてますが、そうとすると今度は面積が大きくなってしまいます。
つまりオールインワンでは「可愛くて薄くて小さい財布」は物理的にムリ、ってことかと。

アブラサス「小さい財布」。分厚くはないが「薄い財布」よりは厚い。

 オフィス内で持ち歩きたい財布のイメージとしては、前の記事で述べたとおり、「小銭+電子マネー+緊急用お札を持ち歩ける、小銭入れ的な子機(母艦から切り出して使用される)」であります。
そもそも、セカンドウォレットと位置付けた時点で、「母艦+子機」で持ち物は増えているわけなので、無理にオールインワンにまとめる必要はないのでは?という、割り切りとも屁理屈ともいえる発想から、従来より使っている↑の「可愛くて薄くて小さい」マトリョーシカ型がま口と組み合わせて使える、「可愛くて薄くて小さい」カード&お札入れを作ってみよう、という結論に至ったわけです。

Rのついたスマホケースのデザインを踏襲

組み合わせて使うからには、生地もお揃いでないといけません。ということで、がま口も5年ぶりに新調することに。
マトリョーシカ型がま口の型紙は以前作った時のが残っているので、今回新たに設計するのはカード&お札入れ。モチーフは現在使用中のスマホケース&キーケースのデザインを踏襲し、自身のプロダクトとしての統一感を演出することに。

キーケース(左)とスマホケース。曲線基調のRのついたデザインを踏襲します。
カードを入れるポケットのデザインもスマホケースから踏襲します。

設計図とモックアップの作成

例によって設計図はパワポで作成。型紙からモックアップを起こして、使い勝手とサイズ感を確かめます。

何種類もサイズを作って、カードとお札の収容イメージと財布の大きさを検証します。
入れるお札は緊急用なので、せいぜい千円札2-3枚。サイズが大きい1万円札は入らなくてよいことにして、横幅は千円札がギリ折らずに入れられる大きさに設定。
また、縦幅については、一般的な二つ折り財布はお札の高さに合わせたものが多いのですが、今回はスマホケースをデザインベースとしていることに加え、がま口とペアであることを演出できる縦長のデザインを良しとして、カードの左右幅(長辺)に合わせています。
札入れ部分は、お札が取り出しやすいように中央部が空いた形にしてみました。

使用する素材は手芸屋で300円で買ってきたタイランド製の謎の革はぎれ。感触が以前作ったサコッシュの革に似てるので、多分ヤギ革なのではないかと思われます。

近所の手芸屋のハギレコーナーでゲットした謎の革。がま口用にはちょっと硬めかも。
試作品なので、これにあり合わせのヌメ革を使い、まずはお金をかけずに作ってみることにしました。

試作品の製作を開始

部材の切り出し

パワポで作った型紙を材料に貼り付けてカットしていきます。
レザークラフト教室などに通ったことがないので、全くの自己流です。ちなみに子供の頃から塾や予備校にも一度も通ったことがありませんw。別に教わるのが嫌いなわけではないんですけどね。

ヌメ革は1.3mm厚。市販の財布に使われている生地と比べるとかなり厚い気がします。
オモテ面のヤギ?革と内側のヌメ革は実際に折った状態でサイズを合わせてから断裁。
がま口の型紙は使いまわしです。5年前のがよく残ってたなと思います。

素材の硬さや厚さの検証

試作品は実際に使ってみて、サイズ感と使用感を検証するためのものなので、素材は吟味せず有り合わせのものを使っているのですが、この時点で早くも生地の硬さや厚さはちゃんとこだわったほうが良いかなという気がしてきました。

一番厚い部分で4枚重ねとなります。札入れ部内側の革とポケット部はもっと薄い革がよいような気がします。
こちらは逆に、口金の溝に対して、革が薄すぎのような気がします。硬さも気になります。

カード/札入れの組み立て

カードは、オフィスビル内のファミマで使うEdyとTポイントカードの2枚の収容を想定。重ねれば4枚収容は可能かもしれませんが、磁気カードを重ねる気持ち悪さがあるので2枚で良しとします。アブラサスは4枚も重ねてますが、カードは大丈夫なのかな?

ポケット開口部とお札を押さえる部分は面取りをしてトコノールで仕上げておきます。
ボンドで組み立てていきます。折りの部分は接着せず、オモテ面のみやや遊びがでるようにしています。
サンドペーパーでひたすら削ります。だいたい整ったかなというところで良しとします。
本体も面取りをします。キレイに削れる革とひっかかる革があります。
トコノールを塗ってウッドスリッカーという棒でひたすら磨きます。
年輪みたいになりました。やはり内側の革はもっと薄い方がよさそうです。

タッセルの作り方

本体と同じ革で、がま口に取り付けるタッセルも作ります。
タッセルとは、いわゆる房かざりのことで、カーテンの装飾とかに使われてるアレです。
靴にも、タッセルドスリッポンとかありますが、そのタッセルですね。
100均とかの手芸コーナーにも売ってますが、本体と同じ素材で作るっていうのがウリです。
まー別になくてもよいのですが、がま口の口金にストラップの取付穴がついてるのでなんとなく作ってみますw。

サイズは50mm×20mm。足は2.5mm感覚で20本作ります。
カシメが通るように平たく折って丸めます。
穴を開けてストラップの紐を通しておいてからカシメを取り付けます。

口金の取り付け&手縫い作業

がま口本体は裏返した状態で両端を接着し縫い作業を行います。
意外に大変なのが、袋にした本体をオモテ面に裏返す作業。ウッドスリッカーで伸ばして形を整えます
口金に対して革が薄すぎ。さらにボンドも素材に合わず悪戦苦闘。結局紙紐を2重にしてなんとか解決。
縫い穴を菱目打ちで開けます。夜中だったので騒音に注意しながら手早く敢行。
手縫い作業です。レーシングポニー代わりのダイソー万力がありますが、面倒で使ってません。

試作品完成&使ってみてのレビュー

試作品ギャラリー&反省点

とりあえず完成しましたが、試作品とはいえ、材料を吟味せずに、有り合わせの素材で作ったのがまずかったなーと反省。(-_-;)
とくにがま口の質感と、カード入れ部分の革の厚さは修正余地ありすぎです。
がま口の革は薄くて硬いのがデザインと合っていない、要は「可愛くない」のに加えて、加工もしづらいという欠点が。これまで使っていたものと同じ、柔らかくてちょっと厚みがあるシボ加工の革のほうが、デザインや風合いとして合っているように思われます。

ちょっと厳しいなーと思いながら作ると、モチベーションだだ下がりです(-_-;)
カード入れは革が4枚重なってますが、二つ折りにすると8枚。革だけで1cmを超える厚さになってしまいます。コバの厚さも相当で年輪みたいになってます。
オモテ面の革は薄めですが、これをがま口にあわせてシボ加工の革に変更すると、さらに厚みが加わるので、カード入れ部分はもっと薄い革にする必要があります。

真ん中の折りの部分は、革の厚みを計算して遊びを作ってます。
縫いの回数はできるだけ減らしたいのですが、4回必要となりました。
ともあれ、オフィス内で携帯したくなるかどうか、まずは使ってみることにしました。

試作品レビュー&改良への意気込み

使い方としては、メインのお財布から、オフィスビル内にあるコンビニで使う電子マネーとポイントカードのみを、セカンドウォレットに移します。そして緊急用の千円札をセット。

具体的には、ファミマで使う楽天EDYとTポイントカード。ちなみにブックオフのTポイントは既に終了済。
んで、これまで通り、オフィス内にいるときは、がま口だけを常に携帯。
そして、昼食時はメイン財布を持たずに、カード/札入れとがま口を携帯。
という使い方で、ひと月ほど使ってみての使用感です。
評価ポイントは、最初に力説してた「可愛くて薄くて小さい」か?ですねw。

まずサイズについて、カード/札入れの「薄さ」は、これまでのメイン財布と比べると1/3くらいになっているので、これは合格といえます。厚さに加えてポケット内に感じる重さも全然違います。がま口はもともと薄いので、これも問題ありません。

続いて「小ささ」ですが、これもがま口はOKですが、カード/札入れについては問題あり。緊急用と位置付けて1万円札は割り切りましたが、千円札がそのまま入るサイズにした結果、メインの財布とそれほど変わらないサイズになってしまいました。

緊急用の千円札に忖度したためサイズアップ_| ̄|○
どんなにがんばっても、カードサイズ以下にはならないので、劇的に小さくはならないのですが、縦横のバランスなどから受ける印象で小ささを演出しないと「可愛さ」に影響が出るのかなと思われます。
また、折りの部分をシンプルにするため、お札を2枚のカード入れで挟む形にしましたが、これがなんとなくいただけない気がしてます。指をかけて拡げるのが2か所になるので、単純に挟みづらいことに加えて、札の一部が見えている生々しさが生理的に気になるわけです。先に述べた「可愛さ」にも影響しますね。

あとセカンドウォレットといいながら、財布は3つになり、メイン以外の財布を実質2個持ち歩くことについては、もう二つも三つも変わらない、と割り切るしかないと思ってます。そもそも、増えるのが許せん!という方は、アブラサスのようなオールインワン財布をメイン使いすればよいわけで、それをスマホとかと一緒にオフィス内で持ち歩くことに抵抗なければそれでよし。そうではなく、オフィス内では少しでも携行品を減らすため切り分けた小さな財布が良いのであれば、あとは使い勝手の問題で二個も三個も好き好きかなと。

肝心の「可愛さ」については、小さいことに加えて、チャーミングと思わせるデザイン要素を持っているか、ということになりますが、がま口のマトリョーシカデザイン、カード/札入れのRデザインだけでは、ちょっと演出不足な気がしてます。
できれば機能面も兼ねたデザインテーマを持つとかそんなことかなーと。

↓はオールインワンのミニ財布で人気の高いエムピウ「MILLEFOGLIE2」ですが、財布には見ない独特の留め具(ギボシ)を配したカバンとも本とも思わせるような箱型のデザインで、他の財布と一線を画しています。

こういう骨太なプロダクトに憧れますが、まずは自分のストーリー(オフィスで使いやすい云々)から改良を加えて成熟させていけたらいいかなーと。
つまり、「試作品」とか言ってるのは、自身で使うだけじゃないことを想定してるんですねw。
ということで、改良版の作品を早速作ってみました。

改良した商品をメルカリに出品してみた

オフィス内で携帯できる"可愛くて薄くて小さい"セカンドウォレット

試作品の反省を踏まえた改善ポイントは↓のとおりです。
  1. がま口の革が、薄すぎアンド硬すぎ
  2. カード/札入れの内側の革が厚すぎ
  3. カード/札入れのサイズが大きい
  4. カード/札入れの札入れ部分の形状が使いづらい
まず、2つの財布に共通する外側の素材を、がま口にあう風合いの牛シボ革に変更。カラーは可愛さを演出できる赤に。
そして厚すぎたカード/札入れの内側の牛ヌメを薄くして、札入れ内部はさらに薄い豚ヌメを採用しました。
サイズは天地はそのままに、左右幅を縮小。札入れ部分のデザインも変更しました。

で、完成したのが↓です。
名付けて「オフィス内で携帯できる"可愛くて薄くて小さい"セカンドウォレット」。

厳密に言えば、セカンドウォレット&サードウォレットだけど、そこは気にせずw。

カード/札入れづくり

工程は試作品と変わりませんが、以下、あらためて順を追ってご紹介。

まずはモックを作成。試作品より左右幅を若干小さくし、名刺入れとほぼ同じくらいの大きさに。


浅草橋アビチで仕入れた1.3mmと0.9mmの牛ヌメ。今回は薄い方を採用。これとは別に豚ヌメも使います。


型紙にそって革を切り出します。↓は、カード/札入れの外側の部分です。


革は上から、牛シボ、豚ヌメ、牛ヌメです。豚ヌメはカード/札入れの内側に使います。


革の裏側が見える部分は、トコノールという仕上げ材を塗り、毛羽立ちを押さえます。


カード/札入れをボンドで組み立て、コバ面を紙やすりで平らに整えていきます。


コバ面の仕上げにもトコノールを使用。はみ出さないように筆を使って塗ってます。


トコノールを縫ったのち、ウッドスリッカーという棒でひたすら磨きツヤ出しをします。


菱目打ちで木槌でたたいて縫い穴をあけます。札入れ開口部は外側と内側で縫う距離が微妙に違います。


蝋引き糸を使って手で縫っていきます。手縫いをデザインとして演出するため、糸の色は外側の革と同じ赤ではなく、あえてベージュの糸を使ってます。

がま口(アクセサリーケース)づくり

がま口も手縫いですが、縫い目が見えないよう、袋を作って裏返しています。


革細工用の手縫い針を2本使って、交互に縫っていきます。


裏返したのち、ウッドスリッカーで伸ばして形を整えます。


がま口の口金にボンドを充填し、革を差し込んだのちにヤットコという道具で紙紐を押し込んでいきます。がま口に紙紐を差し込むためだけに存在する不思議な道具です。


口金の端をペンチでつぶして革を押さえます。ヤットコよりは汎用性がありますが、この「傷がつきにくいペンチ」も限られた用途にしか使いません。


タッセル(房かざり)も同じ革で作ります。タコ足は全部で20本あります。


ちょっと端折ってますが、以上で完成です。

完成品をメルカリに出品してみた

というわけで、改良を加えた自身の企画のプロダクトが完成しました。
誰かにプレゼントしてもよいのですが、オフィス内での利用という限定ニーズがあるのか気になるところもあり、レザークラフトを始めて5-6年経ちますが、初めてメルカリに出品してみることに。


PCから写真をアップしてるので10枚掲載できてます。
完成品のギャラリーはメルカリ内でどうぞ。

ハンドメイド オフィス内で携帯できる"可愛くて薄くて小さい"セカンドウォレット
https://www.mercari.com/jp/items/m14563707938/

(追記)

初出品作品、無事にお買い上げいただきました。ありがとうございました!
オレンジ色の作品も出品しています。
タッセルを若干アレンジしているのと、ブートニエールを追加しています。
ギャラリーはメルカリ内でどうぞ。

革製ハンドメイド カード/札入れ+がま口+ブートニエール 3点セット


(追記)
こちらも無事お買い上げいただきました。ありがとうございました!

(追記)
がま口のみ再出品しました。
(追記)
こちらもお買い上げいただきました。ありがとうございました!

FYI ちなみに...

こんな↓作品もメルカリなどで販売しています。ぜひ覗いてやっていただければです(^^)/

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